今日は漂白剤について。
皆さんは漂白剤を何のために入れて洗濯をしていますか?
汚れを落とすためなら洗剤だけで十分なのではないですか?
答えは色素(洗剤ではとれないシミ)を破壊するためなのです。
洗剤は衣類から汚れを剥がし落とす。
漂白剤は最後に残った色素を破壊する。先日書いたカレーなどが良い例です。
漂白剤と洗剤を一緒に入れますが、それぞれ役割があるのです。
漂白剤の種類はたくさんあります。
種類と用途、使い方を書いていきます。
まずは
酸素系酸化漂白剤これは汗ジミや食物中に入っている色素など幅広く使えます。


主成分が過酸化水素水です。
両方とも液性は酸性ですがアルカリ性にしてやることで漂白効果を促進できます。
そのためには①アンモニア水 ②セッケン水 ③粉の洗剤 のどれかを混ぜてやります。
しみぬきではアンモニアを紹介しましたが、水に溶けるという理由と常温で気化していってくれるという理由、そして弱アルカリのため漂白効果が強すぎないからです。
セッケンを削ってよく溶かし、混ぜてもオッケー!
粉の洗剤もアルカリ性なので、粉の洗剤で洗濯する際に入れてやるだけで漂白効果は上がります。
もちろんそのままでも漂白効果はあることはあります。おしゃれ着を洗う時などはおしゃれ着用洗剤(中性)に混ぜても良いです。
水の温度を上げることで効果はどんどん上がっていきます。でもまぁー家庭では40度くらいにしておいたほうが安全で良いと思います。
粉末タイプだと


こんなのがあります。
これも酸素系酸化漂白剤。
主成分は過炭酸ナトリウムで水に溶かすと過酸化水素水と炭酸ナトリウムに分解してアルカリ性を示します。
液体のワイドハイターやブライトのようにアルカリ剤を入れなくても効果は高いのですが、同時にアルカリは色を褪せさせるので使うものに注意。
おしゃれ着には使わないほうが良いかもしれません。
これも温度を掛けるほど効果は上がります。
しみぬきを勉強し始めた15年くらい前はこの粉(過炭酸ナトリウム)を水に溶かして筆で塗り、温度を掛けてしみぬきをしていましたが、最近は過酸化水素が主流です。いろいろな繊維に使う場合は調節が効いて使いやすいからです。
次は
塩素系酸化漂白剤これはハイターで有名ですね。

主成分は次亜塩素酸ナトリウム。
強い漂白力、殺菌力がありますが使い方を間違えると黄ばませたり、繊維をボロボロにします。
基本は白の綿、麻、ポリエステル以外は使わないほうが良いでしょう。
うまく使うとくすんだTシャツやタオル等は真っ白になり、カビ取りの特効薬でもあります。(カビキラーの主成分も次亜塩素酸ナトリウムです)
しみぬきとして使うのはリスクが高いので浸け込みのみにしましょう。
浸け込みとして使う場合も濃度、温度は低めから様子をみて進めてください。
酸性のものと混ぜると猛毒の塩素ガスを発生しますので注意してください。
次は
還元漂白剤
主成分は二酸化チオ尿素だそうです。
クリーニング業界ではあまり使われない薬品です。業界ではハイドロサルファイトという薬品を使います。
還元漂白剤とは何か?
酸化、つまり漂白剤からでる酸素を色素をつくる分子に結合させて色素の分子でなくしてしまうのが酸化漂白剤。
還元とはその逆で色素を作る分子から酸素を奪います。
効果としては
①塩素系酸化漂白剤で黄ばんでしまったものの復元。
②サビの除去(例えば酸素+鉄=サビ なら サビ-酸素=鉄(無色)になるから)
③クリーニング業界では洗濯の際に色移りしてしまったものの除去に使いますが、使う薬品が違うのでこの商品での実験を今度やります。
長くなりましたが、漂白剤の使い方で悩んだら読み直してください。
基本は酸素系酸化漂白剤です。これでダメなら他を試すというやり方で良いと思います。
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